・効率良く痩せたい人
・運動だけで痩せると思っている人
・痩せたいけど食事と運動どっちをやろうか迷っている人
アメリカ国立衛生研究所のケビン・ホール博士は60以上もの論文と、運動と体重減少における重要な研究を幾つも行った結果、運動は健康にとても良いが体重減少における効果はそれほどないと発表しています。
その内容と真意とは?分かりやすく解説していきます。
太る・痩せるの基本原則
太る
摂取カロリー>消費カロリー
痩せる
摂取カロリー<消費カロリー
一口に太る痩せると言っても様々な要因があり、これだけでは無いのは確かです。しかし、基本原則として覚えておくと良いでしょう。
ケビンホール博士の言う内容とは
さあ、ケビン・ホール博士の発表した内容を見てみましょう。その内容は以下の通りです。
私たちは運動について根本的に考え直さなくてはなりません。運動はとても健康に良いです。禁煙する事よりも健康状態が改善するかもしれません。しかし体重を減らすということだけでみると最適ではありません。
それは身体のエネルギーがどのように使われているかと関係があります。
私達のカロリーを消費する3つの方法があります。それは基礎代謝・食事誘発性熱産生・身体的活動です。
カロリー消費
①基礎代謝
②食事誘発生熱産生
③身体活動
①基礎代謝は何もしなくても消費するエネルギーで約60%~70%を占めます。
②食事誘発性熱産生は食事をしそれを代謝するときに消費するエネルギーで約10%です。
③身体活動、これは日常生活・運動で消費するエネルギーで約10%~30%だけです。
つまりあなたの消費する大半のエネルギーは基礎代謝等の無意識の行為で、あなたはコントロールする事は出来ません。
摂取するカロリー(食事)は自分次第なのに対し、意識して消費出来るカロリーは最大で約30%程度しかコントロール出来ません。
それを聞いても、自分は運動で痩せたいんだ!という人も多いでしょう。確かに30%程度は自分次第なので運動すれば痩せやすくなるのは確かでしょう。
しかし運動量を増やした場合、あなたの中で様々な行動の変化が起こります。その1つとして運動するとよく食べる事が挙げられます。その他にもエスカレーターを使ったり、車を使ったり等もあります。
これらは代償行為と呼ばれます。大半の人はこの代償行為で運動による体重減少効果がなくなっています。また、余分に摂取したカロリーを運動で消費する事はとても大変で、フライドポテトMサイズの分のカロリーを消費するには約2時間程度のウォーキングが必要となります。
もちろん、運動だけで痩せる事は不可能ではありません。
運動は食事を除き、あなたの努力次第でカロリーを減らせる唯一のポイントになりますが、とてつもない努力と時間を要する事になります。なので過剰な運動は避けて、食事に気を配ることが大切です。
以上がケビン・ホール博士の発表を簡単にまとめた内容になります。
実際に痩せるにはどれくらい大変?
例えば、1ヶ月で1kgの脂肪を落とすには、1ヶ月でトータル約7200キロカロリー分消費カロリーが上回らなければいけないという事になります。
実際には体重減少と言っても、水分だったり筋肉が増えたり減ったりするので、その単純計算の通りにはいきませんが、基本的な考え方としてそのように覚えておくと分かりやすいでしょう。
更に細かく言うと、同じカロリーでも食事内容によって体内に取り込む栄養素が変わるので、代謝内容が変わり身体の変化の仕方や健康面における影響も全く変わってきます。
なので様々なメソッド(方法)が存在はしますが、体重減少という事に限定すれば、カロリーが一番重要であるいう事になります。
ダイエットには運動1割・食事が9割というタイトルの著書がありましたが、私も一般の方では体重減少に限定して言えば、運動が与える影響は皆さんが思っている程大きな影響はないと思っています。
そもそもダイエットという言葉自体、食事制限という意味になります。
以前、ジムの会員様にお腹の脂肪を取りたいのですが、どうすれば良いですか?
と質問を受けた時に私は、まず食事を頑張って下さいと答えました。
こういう腹筋運動をして下さい〜、と指導されると思っていたその方はびっくりしていましたが、仮にどんな腹筋運動を何百回とやってもお腹周りの脂肪が取れる事はほとんどなく、脂肪の奥の筋肉が強化されるだけです。
体幹強化により姿勢の変化だったり呼吸機能の向上等が見込めるので、腹筋運動自体に意味はないとは言いませんが、直接お腹の脂肪を燃焼させる効果はほとんどありません。
私はトレーナとして長年従事してきましたが、運動だけで痩せた方はあまり見たことがありません。
痩せて効果を出した方は、食事指導ありきの方がほとんどです。
ダイエットジムも運動で痩せているというよりは食事指導に重きを置き痩せているのです。
結局運動は必要なのか?

しかし無理な食事制限はストレスが溜まり健康面に悪影響がある場合もあるので、無理なく継続できる健康的な食事摂取をお勧めしています。
今までに色々と言ってきましたが、運動のメリットは絶大です。痩せる痩せないということだけでなく、メリットが数多くあるので、老若男女皆様に是非実践して頂きたたいと思っています。
①リバウンドの防止
②体型の維持・変化
③骨の強化
④疾病の予防・改善
⑤関節の保護
⑥心肺機能の向上
⑦痛みの予防・改善
⑧転倒予防
⑨冷えの改善 ・・・etc
- リバウンドの防止(筋量維持)。食事制限だけでは一緒に筋肉も落ちてしまい、代謝が下がり,リバウンドの原因となります。食事コントロールと筋トレを組み合わせてリバウンドの防止効果にも繋がります。
- 体型の維持・変化。姿勢も含め、体型は骨があり、その上の筋肉から形成されており、スタイルアップ・姿勢改善等に筋トレ・ストレッチは欠かせません。
- 骨の強化。筋トレで筋肉だけでなく、骨も強化されます。
- 疾病の予防・改善。生活習慣病をはじめ、様々な疾病に運動が効果的な事が科学的に証明されています。
- 関節の保護。筋力の低下による、関節痛などは筋力を付ける事により関節を保護し、痛みの軽減などに繋がっていきます。
- 心肺機能向上。有酸素運動で心肺機能の向上が見込めます。心肺機能が向上すると、疲れづらく・回復が早くなり、日常生活もより快適になるでしょう。
- 痛みの予防・改善。筋トレやストレッチ、筋膜リリース等により腰痛や肩こり等の予防・軽減に繋がっていきます。
- 転倒予防。特に高齢者の方など、運動不足による転倒が問題になっています。筋力と歩行感覚など、運動で改善できる事は多いのです。
- 冷えの改善。いわゆる代謝が下がる事による冷え性など、運動習慣を付ける事により、筋量アップ、代謝アップし、冷えの改善に繋がっていきます。
・・・・etc
他にも多々ありますが、今回はこの辺にしておきましょう。この記事が皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。